町全体で事業の発展に取り組む
第3セクター方式の林業会社
株式会社いぶき久万高原町
全国でも有数の木材産出県の愛媛県。林業を主産業としている久万高原町で地方創生事業の一環として、1990年に第3セクター方式で設立されたのが株式会社いぶきです。新卒者をはじめ同町以外からの入社者も多い、同社の仕事と魅力について事業部長の白川さんと若手社員の西岡さんに伺ってみました。
事業部長:白川哲也さん、技術職員:西岡尚市さん
事業部長:白川哲也さん、
技術職員:西岡尚市さん
まもなく設立30周年を迎える
“久万林業”を担う事業会社
松山市内から車でおよそ1時間半ほど。スキー場もある久万高原町が、町ぐるみで事業運営に取り組んでいる株式会社いぶき。2018年で設立28年となる同社は、林業を主事業とする第3セクター方式の株式会社として、設立以来、全国でも注目されています。同社を訪れて、その設立の背景や歩み、事業の魅力などを説明してくれたのは、株式会社いぶきの設立以来のメンバーでもあり、人材採用も含め、組織づくりや運営全般に関わっている事業部長の白川哲也さん。松山市出身で、結婚を機に久万高原に移り、株式会社いぶきの立ち上げに加わることになりました。
「今年で58歳になりますが、入社したのが31歳の時。事業面での整備や運営、組織づくりなど、全般的に関わってきました。」
久万高原町は、明治時代から植林が行われていた愛媛県を代表する林業地。県内でも最大の面積を誇る町の9割を占める森林で、スギ・ヒノキを育んでいます。林業で同町を活性化するために設立された株式会社いぶきに立ち上げから参加している白川さんですが、関わる前は、林業とは全く関わりのない仕事をしていたそうです。
「大学を卒業してから、土木・建築、さらに特別養護老人ホームなど、様々な仕事を経験しました。結婚して、久万高原町に来た時に、同町の“林業後継者育成”“若者の定住促進につなげる雇用促進”“地域活性化”のために、第3セクター方式の会社を設立したいという趣旨に共感したことがきっかけです。全くの未経験でしたが、自分でも何か社会に役立てることを、という思いからのスタートでした。」
伐倒や集材、運材など、林業に関わる仕事に自ら関わりながら、その仕事の大変さ、さらに仕事環境の整備に本気になって取り組みながら、行政機関との交渉や組織づくりに邁進して来たそうです。
「もうすぐ設立から30年になろうとしています。今では、全国各地から、第3セクター方式の第1次産業を担う株式会社として注目もされていますが、ここまでは苦難の連続でした。それでも続けてこられたのは、自分自身の意地と、設立以来、全国から集まってくれたメンバーの気持ちに支えられてきたからだと思います。」
現在36名の社員が勤務し、また、2018年4月には、東京の大学を卒業する2名の新卒者の入社も決まっています。少しずつ、一歩ずつ、後継者づくりも進んでいるようです。
安心して働ける待遇と制度が
未経験の若者の背中を後押し
毎年、大卒・高卒問わず、新卒者の入社も珍しくない株式会社いぶき。その同社に2017年4月に専門学校を卒業して入社したのが、西岡尚市さんです。
「もともと公務員を目指していました。その中でも消防士や警察官など、体を動かす仕事に就きたいと思って、そうした仕事が目指せる専門学校に通っていました。いぶきとの出会いは、学校で行われた企業説明会です。林業というのは、就職先として最初はイメージがなかったですが、自然の中で働く林業の仕事の魅力と同時に、いぶきの場合は第3セクター方式の運営ということもあって、地方公務員並みの待遇で仕事ができるということも魅力でした。」
入社して、1年が経とうとしていますが、伐採や伐倒など、林業の仕事の基本を徹底して学んでいる最中です。
「仕事は、ベテランの先輩について学んでいます。仕事のやり方をまず見せてくれて、その上で、自分がやってみる、というスタイル。言葉は少ないですが、とても丁寧に優しく教えてくれます。」
自然の中で仕事をする楽しさ以上に、苦労も多かったようです。
「山の斜面を上り下りするので、筋肉痛になることも(笑)。体を動かすことが好きな方じゃないと、なかなか大変かもしれません。」
その中でも、この仕事を選んでよかったと思うことも多いと、笑顔で話してくれました。
「自分が携わった森林の整備によって、山がきれいになっていくのを目の当たりにすると、仕事の達成感を肌で感じることができます。その瞬間の深呼吸した時の空気のうまさ。それを感じられるのは、この仕事ならではでしょうね。」
西岡さんが、自分の仕事の魅力を話す傍で、採用担当者でもある白川さんが、嬉しそうに笑っている姿がとても印象的でした。
資格取得も技能の習得も
しっかり学べる研修と制度
入社1年目の西岡さんは、現在、重機オペレーターの資格取得にも取り組んでいます。同時に林業作業の様々な業務知識の習得の為の研修なども受けています。その制度の導入も、事業部長の白川さんが中心になって行いました。
「愛媛県の中でもそうですが林業を営む全国の事業者が、技能者育成の一環として活用している『緑の雇用 現場技能者育成対策事業』というものがあります。いぶきでもその導入を推進し、未経験で入社した若手社員の育成に役立てています。採用から育成まで丁寧に育て上げることが、私を含めた、いぶきの事業運営を担う者たちの役割だと思っています。」
その言葉から、人材に対する、白川さんの想いの強さを感じました。
「林業で地域活性を、というからには、地元以外からも多くの若者に来てもらって、さらに入社してから、しっかりと育て上げる必要があると思っています。入社してからのキャリア作り、資格取得のためのサポートなど、人材における将来を見越した取り組みもしっかりとやっていきたいです。」
現在、いぶきの社員の年齢構成は、20代〜60代。各世代が連携し、自らのノウハウの継承、仕事における相互サポートをしながら、株式会社いぶきを盛り上げていこうという雰囲気も、働く上での環境づくりに貢献しているようです。
将来のリーダーの育成と採用が
今後のいぶきの大きなテーマ
「設立からずっと、いぶきの事業の発展や組織作りに関わって来ました。そんな私自身、今の課題は、将来の事業運営を担う、リーダーの育成です。」
白川さんが将来に向けての課題について、そのように話してくれました。株式会社いぶきの将来を担う人材。白川さんが思い描く、期待する人物像とはどのような人でしょうか。
「自分で考えて、動ける人。組織の課題、事業の目標を、自ら抽出して、設定して、実行に移せる人。そういう姿勢で仕事に向き合える方ならば、林業が未経験でも一緒に成長できると思いますね。」
採用活動でも、いぶきでは、入社前の体験を必ず行うようです。林業の仕事に憧れて入社したものの、イメージと実際にギャップが生じて続けることが難しいこともあります。そうしたことを防ぐためにも、まずは体験してもらって、納得した上で、入社を決めることができるのも、安心材料の一つかもしれません。
自然豊かな久万高原町で、林業という仕事を通じて自らを成長させ、将来は事業を率いていく。自分を磨き、町づくりにも携われる大きなやりがいを味わいたいという人にオススメしたい、そんな会社に出会うことができました。
皆様のプロフィール
Interviewee Profile
株式会社いぶき
事業部長
白川哲也さん
1959年生まれ、現在58歳。趣味はオートバイの白川さん。乗り始めて40年以上がたち、50台以上のバイク、4輪車も6台持っているそうで、その手の雑誌にも掲載されたことがあるそうです。
〇〇〇〇の
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株式会社いぶき
技術職員
西岡尚市さん
1997年生まれ、現在21歳。バイクの運転が趣味の西岡さん。休日には、周りの友達を誘ってツーリングに出かけることが多いそうです。今年の目標は、オペレーターの資格を取得することだそうです。
〇〇〇〇の
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企業概要
Corporate Profile
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- 社 名
- 株式会社いぶき
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- 住 所
- 愛媛県上浮穴郡久万高原町露峰乙2153番1
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- 電話番号
- 0892-21-3055
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- 事業内容
- 上浮穴郡内での立木の伐採・搬出等素材生産業務
林道や作業道の開設
公共事業としての森林整備工事
-
- 従業員数
- 32人
-
- ホームページ
- なし
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