社員は県外出身者が8割以上
全国から人が集まってくる会社
株式会社地域法人無茶々園西予市
明浜町は急傾斜地が多く、農業において平野部のような規模拡大は出来ません。そこで、創業者である片山さんは、これまでの農業に対する考えを変えて、「どうすれば農業が楽しめるか」を原点に無茶々園は設立されました。崇高な想いのもとに集う会社の皆さんにお話をお聞きしました。
取材対象者 代表取締役:大津清次さん、専務取締役:平野拓也さん
取材対象者 代表取締役:大津清次さん、
専務取締役:平野拓也さん
農業に対する大胆な発想の転換
田舎での自給、自立を目指して
株式会社地域法人無茶々園は、西予市明浜町にあります。2011年に社長に就任した大津清次さんは52歳。自家の宅配業を手伝っていた頃に無茶々園とのご縁ができました。法人化する際の1988年に、無茶々園を始めた片山さんに誘われ、専務として入社しました。そして事業運営や農家との交渉、組織づくりを行ってきました。
無茶々園の母体の誕生は1974年に遡ります。
当初は3人の農家、生産者が「有機栽培をしよう」と立ち上げたものです。その背景には、国が提唱する「強い農業」は平野部では集約し規模の拡大が図れるものの、明浜町のような急傾斜地で行う農業では、その施策は難しい。「経済、お金を追求して農業をめざすのではなく、それよりもいかに楽しく農業をするためにはどうしたら良いのか」という考えが今の組織の原点となりました。
「都会と田舎は違う」。「田舎の農業は家族農業をベースに、お金を追うよりも、自立を目指さなければならない」。無茶々園は、F=フード(食べ物)、E=エネルギー、C=ケア(教育)、そしてW=ワーク(仕事)の「FECW」を掲げて、それらを創って自給する、田舎の自立を目指している会社です。
社員の8割が県外出身者
先人のビジョンを受け継ぐ会社
無茶々園の社員の8割以上が、県外からの出身者で構成されており、Iターンで入社した方が多い会社です。また、社員の平均年齢は30代後半と若い人で組織されています。無茶々園の近くにはコンビニも飲食店もありません。地域内の住宅問題もあります。無茶々園も3家族が住む社宅がありますが、研修センターを借りての共同生活の人もいて、社員の住環境の整備も課題の一つです。
しかし、無茶々園の事業、活動は都会など外部からの評価が非常に高く、京都、鹿児島、石川など全国から人が集まっています。求人広告等の掲載も含め、特に採用活動を行わなくても、「田舎暮らし、農業に興味がある」と思う人たちが、無茶々園の崇高なビジョンに共感し、熟考した結果として、人が集まってくるのです。
また無茶々園では、20年前には非農家の人を対象にした研修制度をすでに設けていて、それをきっかけに入社した社員もいます。
一方で、Uターンの受け入れも行っています。またパートなど地元での採用もしています。そういった方には、是非無茶々園の理念「地域づくり、町づくり」を良く理解して仕事に臨んでほしいと大津さんは話します。
「枠にはまらない」
可能性は無限大の会社
無茶々園の活動を支える社員の皆さんはどのような気持ちで仕事に向かっているのでしょうか。
お話を伺ったのは、京都出身で専務取締役を務める平野拓也さんです。東京大学教養学部を卒業され、予てから「農業関係の仕事をしたかった」と話します。
無茶々園との出会いは農業研修で、一年間の研修を終えた24歳の時に入社しました。
「一年間の研修では農業を知るには、まだまだ不十分だ」と思っていた平野さんの気持ちにも沿うものでした。
現在は運営管理全般を担当しながら、農家とのやり取りや販売などもおこなっています。入社当時から「農業には工夫していけること、改善すべきことが多い」と思ったそうで、やるべき価値があり、面白いと感じていたそうです。
「創業者の片山さんや、現在の社長の大津さんが新しいことを次々と取り入れ、それらを、枠にはめようとせずに自由にやらせてくれるので、無茶々園の事業や組織を整えていくのが楽しい」と話します。
無茶々園の仕事は多種多様で、入口が農業だったとしても事務職や福祉などに配属されることもあり、「幅広い関心を持って来て欲しい」と平野さんは話します。
最後に平野さんは、明浜町狩浜地区に住んでいますが、「住みやすく、ここでの暮らしにとても満足しています」と笑顔で話してくれました。
田舎の豊かさを感じられる人
廃校舎から世界に向けて発信
無茶々園が求める人材は会社の理念に共感ができること。そして、自立的で能動的であり、自分で考えて、動ける人だと言います。主体的に動くことが好きで、さらにチームワークを大切に「田舎生活の豊かさを感じてくれる人」は大歓迎だそうです。
「都会の人の田舎のイメージは、和やかなイメージが強いでしょうが、時には人間関係で悩む事もあります。人と接することを楽しめる人が望ましく、ここで何をしたいかを明確にしてほしい」と大津さんは話します。
また大津さんのお話の中には、「自立」の言葉が度々出てきます。
「若い人は既存の事業を担ってほしい。スキルのある役員クラスの人は事業を立ち上げ、次の世代に受け継ぎ、組織が次々と自立し、分社化されていくアメーバ型の経営スタイルが理想」としています。
「自分で地元の人と一緒に出来る仕事を生み出していく、自分の給料は自分で稼ぐ」という気概を社員には求めているようです。事務所は、3年前に廃校になった小学校の教室や設備を使用し、地域法人として事業を進める無茶々園。将来はアジアも視野に、現在ベトナムなどから海外実習生も受け入れています。明浜町狩浜の地で、農業による“田舎再生運動”を進める同社のこれからがとても楽しみです。
皆様のプロフィール
Interviewee Profile
株式会社地域法人無茶々園
代表取締役
大津清次さん
1965年生まれ、現在52歳。1988年、22歳の時に、無茶々園に入社されます。翌年には、ご結婚されています。休日は、みかん山に行くことが多く、みかんを育てることが趣味にもなっているそうです。
〇〇〇〇の
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株式会社地域法人無茶々園
専務取締役
平野拓也さん
1976年生まれ、現在41歳。24歳の時に入社され、16年目になるそうですが、一度もご出身である京都に帰ろうと思ったことはないそうです。地域住民の温かさが、仕事が続く理由の一つでもあると話します。
〇〇〇〇の
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企業概要
Corporate Profile
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- 社 名
- 株式会社地域法人無茶々園
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- 住 所
- 西予市明浜町狩浜2番1350
-
- 電話番号
- 0894-65-1417
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- 事業内容
- 農林水産物の加工及び販売
-
- 従業員数
- 27人
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- ホームページ
- http://www.muchachaen.jp/
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