2022.03.31
移住創業者ストーリー
歴史ある神社の参道に魅了され、移住を決意。
「みんなの島に、あったらいいね!」をつくりだす。

Profile
大橋 健太郎
(合同会社さんど)
1985年生まれ。東洋大学経済学部卒業。カフェチェーンのエリア店舗責任者を務めるも2013年に退職。その後2年後海外放浪し、訪れた国は20カ国以上。2016年豪華客船のレストラン部門勤務している時にたまたま立ち寄った大三島に一目惚れして2020年春に夫婦で移住。大三島町の地域おこし協力隊として活動する傍らキッチンカーオーナーとして愛媛県各地に出店している。2021年8月には島の移住体験施設を開業するべく合同会社さんどを立ち上げた。

大三島に魅入られ、移住。その先に新しいスタイルを立ち上げていく

まず初めに、現在取り組んでいる事業について教えてください。

しまなみ海道のど真ん中にある大三島に夫婦で移住し、地域おこし協力隊として活動をするかたわら、キッチンカーのオーナーとして愛媛県内を駆け回っています。「地域の人たちと一緒に大山祇神社参道を盛り上げる!」そんな想いで、大三島に関わるイベントや企画立案、そのサポート、新商品開発など色々取り組んでいます。

先日は、念願のコリビング施設も無事にオープンを迎えることができました!

移住を決意した「大三島の魅力」とは、どういったものですか?

前職のクルーズ客船勤務時に大三島に立ち寄り、大山祇神社参道の風景に惹かれたのがきっかけで、2020年3月に移住を決意しました。仕事やプライベートで国内のみならず海外も含む30カ所以上のたくさんの島々を訪れましたが、大三島ほど自然環境と歴史と利便性の調和がとれた場所は他の島にはない特別なものだと思います。

なかでも大山祇神社と神社に続く参道の風景は特に荘厳で、どこか懐かしく、「この場所で自分の生業を創ってみたい!」と自然に思わせてくれた不思議な魅力がありました。

参道の風景は本当に魅了されますよね。

はい、かつて大山祇神社参道は大三島の玄関口として大変賑わっていたのですが、その後少子高齢化が急速に進み、今では地域の存続が危ぶまれる島になっています。厳しい環境が続いていますが、最近ではリモートワークやワーケーションなどにスポットがあたり、移住希望や中長期滞在を希望する都市の人々が増えてきましたね。

島の人口増や店舗施設の充実に希望が見えてきていますが、移住希望者が気軽に大三島に滞在し、リアルな生活を体感できる場がまだまだ少ないのが課題。さらに、地域の事業者や住民の方々と気兼ねなくお互い交流し触れあえるようなコミュニティがまだまだ小さいのも現状です。

そういった背景もあり、仮移住体験もできるゲストハウス×コワーキングスペースの運営を自分たちでやってみたいという考えにたどりつきました。

ピンチをチャンスに変えるという着眼点ですね。新たなスタイル「コリビング」について教えてください。

まだ日本ではあまり馴染みはないのですが、コリビングとは“職住一体”という考え方で、世界中で体験施設が増えつつあります。コワーキングスペースとシェアハウスが合体したような施設です。滞在者同士の交流はもちろん、地域住民や地元事業者の方々とのつながりが生まれ、新たな仕事や連携が自然と生まれるオモシロイ場所になる可能性が秘められています。

僕らが運営するSANDOも、島のオモシロイを生み出す中心地になりたいと考えています。もちろん1泊や2泊などの観光滞在も可能です。

「みんなの島にあったらいいね!」を創り出す。

そもそも、なぜ起業の道へ進もうと思われたのでしょうか?

最初のきっかけは、池袋にある老舗イングリッシュパブでアルバイトをしたことです。素敵なお店で常連さんが個性的で優しく、いつかこんな雰囲気のお店を自分で作り上げられたらと思いました。その後、独立を目指して東京のカフェチェーンに就職して飲食業に対する印象が変化し、自分で営業するより、仕組みをつくったり、経営者目線の戦略だったりといったアイデアを形にしていくことのほうに興味が湧きました。

現在は、「島にあったらいいなぁ」と思うものを提供して僕ら夫婦が暮らしていける収入をつくることと、地域のみなさんがよろこんでくれることを事業にしたいと思っています。

その過程で、大変だったことなどはありましたか?

創業にまつわるすべてのことが、ほぼ何もかも。はじめての経験だったので大変でした。わからないながらも手探りで調べたり、聞きに行ったりと、とにかく四六時中なにかに突き動かされるように動き回っていたように思います、それは今もですが。

ですが辛いというよりは、楽しく刺激的なものですよ。僕らのスタンスは「やりたいことをやる!」自分達に必要な物事が、最終的には地域のみなさんの役に立ったり、喜んでもらえることにつながると思っているからです。

残りの人生「今が1番若いとき」と、チャレンジを!

シンプルながら、素敵なスタンスですね。今、新しく計画しているチャレンジなどはありますか?

今は島の移住体験施設をつくることに注力していますが、ゆくゆくは神社参道商店街のまちづくりや空き家改修を通じて、参道商店街を新しく生まれ変わらせることにチャレンジしたいと思っています。その仲間づくりも少しずつやっているところです。

ありがとうございました。後に続く移住者や起業家へメッセージをお願いします。

「移住」や「起業」と聞くと、大きな変化が伴う、ハードルが高いものと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、田舎や地方都市で小さく副業からはじめることもできますし、インターネットの発達で過疎と呼ばれるような地域でも、ひと昔前に比べたら遥かに暮らしやすくなっているように思います。自分から動いてみれば意外となんとかなったりすることが多いので、残りの人生「今が1番若いとき」と、チャレンジしてみるのもアリかと思いますよ。

totop