〜【EGF創業ストーリー】愛媛県で起業した理由〜

現代の就職活動に一石を投じる。
学生と企業の”橋渡し”に情熱を注ぐ、愛媛の熱き教育者

西村友祐(合同会社EIS)

「愛媛の大学生の充実した生活をサポートする」ことを理念として、2019年に創業した合同会社EIS。カウンセリングや就活支援、イベントなどを通じて、現代の学生に必要なスキルや知識を教えるだけでなく、信頼できる仲間や友人・人脈を築く環境を提供してきました。また近年では、次世代オンライン塾「Evolve」をスタートさせるなど、意欲的に事業を展開されています。創業に至った背景と、背中を押した愛媛での”出会い”とは?代表の西村友祐さんに、お話を伺いました。
西村友祐(合同会社EIS)

西村友祐(合同会社EIS)

これまで映像・写真・印刷・補聴器・音響・飲食など多岐に渡る事業を手がけてきた。300名以上の学生へ指導経験を持ち、教育者・WEBデザイナー・講演家として活躍する一方、起業家として地方が抱える様々な問題に取り組んでいる。また、その傍ら音楽活動も行うなど、多彩な経歴をもつ。

愛媛での出会いにカルチャーショック。起業を思い至った背景とは?

——まず初めに、現在取り組まれている事業について教えてください。

大学生と企業との接点を作り、「人材採用」をテーマに、双方のサポートを行う事業を展開しています。一般的な就職活動やインターンと異なり、企業が抱える”お困りごと”、例えばSNSを用いた情報発信や、YouTube動画の撮影・編集、ホームページの作成などの仕事の依頼を受け、大学生がチームを作りこれに取り組み、解決するというアプローチを取っています。

学生と企業が、共にに一つの課題に取り組む中で、お互いを深く理解することができ、最終的に採用に至る…というプロセスが、最も理想的と考えています。履歴書など、少ない情報を通じてマッチングする既存の就活サイトはミスマッチが起きやすいことからリスクも高く、費用対効果が低いのでは?と感じていて、当社の取り組みにより、学生にも企業にも良い機会を提供できたらと考えています。

ーーこれまで、どのようなキャリアを歩む中でその発想に至ったのでしょうか?

出身は高知県で、梼原(ゆすはら)という県境の町で育ちました。大学時代は北九州で過ごし、その後、音響機器メーカーのオンキヨーに就職しました。

エンジニアとして研究開発に勤しみ、3年ほどたった頃帰郷を決意、地元で自営業を営む父の店の一部を間借りし、25名程度の学生の塾長として5年ほど教鞭を振るいました。学生と日々触れ合う機会が生まれたのは、この頃からです。

定期的に松山にも行く機会があり、ある時、一人の大学生と出会うことになりました。彼に進路についてのアドバイスをしたことがきっかけで、現在の学生の実情や就活の問題を知ることとなりました。

悩む学生 ーー愛媛の学生との出会いがスタートなのですね。ちなみに、地元の高知ではなく、愛媛で起業に至った背景は?

子供が生まれたこともあり、今一度生活を見直そうと思い立ち、令和元年4月から愛媛のプログラミング教室に1期生として通うことにしました。

私も同じく教育現場に立っていましたが、プログラミングが必修科目となったこともあり、初めは「塾経営の役に立てば…」という想いだったんです。ですが、プログラミング教室での出会いが大きなカルチャーショックになりました。多くの経営者とも関わる機会を持てたのですが、私の考える事業について意見交換をしたところ、愛媛だと、とても興味を持ってもらえたのです。これは、地元では無かった反応でした。なので、愛媛で起業しよう、と。

そのプログラミング教室は、オープンしたばかりということもあり、受講生の立場ではありましたが、運営にも積極的に関わらせてもらいました。その中で、当社の原型ができていったように思います。そして、やはり出会いの中でEGFを知ることとなり、これはチャンスと応募。あっと言う間に愛媛への移住を決断し、その年の7月に法人化することになりました。

何のための教育なのか?愛媛の学生と企業のミスマッチに大きな疑問と憤りを感じた。

ーーさまざまな縁があり、移住や起業を決めることができたのですね。事業については、愛媛という場にはどんなポテンシャルを感じていますか?

愛媛は”可能性の塊”だと思っています。本当に素晴らしい人々が周囲に多くいますが、まだまだ繋がりが弱い。普段、学生と接する中でよく耳にするのは「愛媛が面白くない」という言葉なんです。同じ場所にいながら、人と人とが出会えていないことに気づき、この橋渡しをしていきたいと強く思っています。

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私自身、振り返ると世の中の”教育”に憤りを感じることが多々ありました。

先述の通り、これまで国立大学を出て、オンキヨーという大手メーカーに就職し…周囲の大人が言う「正解」に沿った生き方をしてきました。ですが、大学で学んだことは、そのほとんどが社会で通用しなかったんです。じゃあ何のために今まで勉強してきたのか?と。

それは、現代でも同じです。創業時に100人を超える学生から、生い立ちやなぜ愛媛にいるのかを聞く機会を作りました。みんな、与えられた課題をベストパフォーマンスで一生懸命こなしている。そして、ようやく卒業と言うゴールテープを切ったと思ったら、そこには誰も迎えてくれていなくて、「社会に出たら、それまでの経験は通用しない」なんて言われる。これって、大きな問題だと、激しく思いました。

また、もう一つ気づきに繋がったのが、プログラミングです。

プログラミングは、分からないことがあったらネットで調べることで、ほとんどの問題を解決することができます。なぜかと言うと、プログラミングを学習する多くの人が、躓いたことはメモに残し、公開し、誰でも使えるようにする。そんな知識の蓄積が、文化として定着しているためなんです。

もし本にすれば、お金を出してでも買いたいような情報を、簡単に手にすることができる…なぜIT業界がここまで急成長できたのか、その理由はここにあると思っています。誰もがシェアの概念を持っているのです。

一方で、教育業界はどうでしょうか。教えている内容はずっとアップデートされないまま。ここにも憤りを感じています。

なので、企業と学生を橋渡することで、そのような問題を解消していきたいですね。

こんな時代だから、さらに一歩踏み出す。逆境をバネに、愛媛から全国へ。

ーー熱い想いを抱き、これまで多くの学生を支援されてきました。その中で、困難や壁にぶつかったりしましたか?

やはり、新型コロナウィルスの打撃は強烈でした。創業当初、実際に学生と会って支援する「人海戦術」が基本となっていたのですが、これができない。イベントも打てないため、お先真っ暗だと思いました。

しかし、しばらくしてコミュニケーションの全てがオンラインに変わったことで、この状況が明らかにプラスに働くようになりました。

現在、『Evolve』という次世代オンライン塾をスタートさせたのですが、ZOOMで授業できるようになったので、より多くの学生を接点を持つことができるようになりました。

愛媛だけではありません。リモートで出会うことがより当たり前になっているので、全国の大学生に対してTwitterなどを通じて話を聞く機会も、以前より増えました。

今後、どのような状況になるかはわかりませんが、今は「修行」と思って過ごしてます。

online_meeting_01.jpg ーー修行を経て、これから新たに計画しているチャレンジはありますか?

学生支援の事業を、まずは四国に展開していきたいと思っています。創業当時はイメージできませんでしたが、インターネット上でこれだけ多くの愛媛の学生と繋がれるなら、他の県の学生とも繋がることができるのでは?と考えます。

そして、「教えるべきこと」はどこでも共通です。各地の企業に会員として参加していただり、スポンサードしていただければ、オンラインで学生支援の話を全国に広げていくことは可能だと思っています。

また、事業展開に備えて、面白いなと思った学生に対しては積極的にヘッドハンティングを行っています。

教育者として普段から人の”素養”をよく見ることにしていて、例えば「場の空気をよくしているな」「方法を教わっていないだけで、理解する能力を持っているな」といった、表に現れない部分を評価するよう心がけていますね。

——ありがとうございます。最後に、後に続く移住者や起業家へ、メッセージをいただけますか?

今の世の中、変化が早く「ついていけなかったら置いてかれる」と不安に思っている方も多いと思います。コロナ禍もあり不安定ですし、先は分からないのは確かですが「動き続けて前に挑戦した者しか、目指したものは掴めない。」と、私は思っています。

これから大事になるのは、いかに他の人がやっていないことに取り組むか。つまり「希少性」だと思います。他人が尻込みして、なかなか取り組めないことにいち早く着手した人は、より良い人生を送ることができます。新しいことに踏み出そうか、踏み出さないか、2択であれば踏み出さない理由はありません。思い切って、前に進んでみてもらいたいと思います!