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2022.03.23
日土地区

定住支援員の「やわたはま・あれこれ」~日土地区編⑤

皆さんこんにちは!八幡浜市定住支援員のOです(・ω・)ゞ

すっかり春爛漫になってきた3月上旬。
至る所で満開の菜の花が目につくようになってきました。

菜の花畑と言えば、見晴らしのいいなだらかな風景を思い浮かべる方も多いと思いますが、山に囲まれた八幡浜では、その見え方も特徴的。山肌に広がる段々畑と交わるように輝くビタミンカラーを、遠目からでも確認することができます。

そんな中、特に気になったのが日土(ひづち)地区の「ヌタ山」付近。
日土地区は、こちら⇊⇊

喜木川沿いを北東に進み、旧青石中学校を過ぎたあたりから左前方に見えてくる山で、以前にもご紹介した地元のお祭り「みかんの花まつり」が開催されている場所です。(日土地区編④

例によってワタクシの写真の腕では全く魅力的に写せてませんが、春の陽光の中、黄色が眩しく輝いています。山の上からは、さぞかしいい風景が見えるのでは!ということで、ちょっと上ってみることにしました。(訪問日:3月10日)


ヌタ山へは、主要地方道・長浜保内線沿いにある農道碑を目印に左折し、新堂農道・ヌタ農道を上がっていきます。
別のルートもありますが、迷子常習犯のワタクシは分岐の少ないこちらの道から堅実に参りますよ⊂((〃 ̄⊥ ̄〃))⊃

ちなみに農道とは、農業利用を主目的に整備された道路のこと。(ざっくりしたご説明です)

柑橘が主産物の八幡浜市の場合、園地の多くは山の斜面にあるので、山肌を縫うようにくねくねと農道が走っています。
一般車両も通行できますが、道幅が狭いことも多く、運転には注意が必要です。10~12月の農繁期には非常に混雑するため、特に用が無い限り、ワタクシのような一般車両は利用を避けるのが「八幡浜あるある」。

3月現在、清見やデコポンなどの中晩柑の収穫はまだ続いていますが、比較的落ち着いている時期なので、お邪魔にならないよう、気を付けながら上がることにします。

道中、ちょっと分岐を間違えたり(←いつものことデス)、目もくらむような傾斜を上ったりしましたが、無事に山頂付近に到着。
ここからは、色んなビューポイントを探してちょっと散策してみることにします。

まずは、川之石の港まで見晴らせる絶景ビューがお出迎え。(っ’ヮ’c)ウゥッヒョ~~
春霞で少しぼやけていますが、とても気持ちのいい景色です!

海に流れ込む喜木川と日土・喜須来・川之石の町並みまでくっきり。なんだかジオラマみたいですね。

更に移動すると、日土地区の集落、梶谷岡(かじやおか)・松岡(まつおか)方面を見晴らせるポイントに。
段々畑の合間を縫うように、人家が広がっているのがよくわかります。

みかんの木と菜の花。八幡浜らしい、春の山の風景です。
遠くで農家さんが鳴らすラジオの音が静かに聞こえ、風に運ばれてくる菜の花の香りが鼻腔をくすぐります。

(ワタクシの体内方位磁石が狂ってなければ)こちらは、ヌタ山から北西方向にある日土地区の今出(いまで)集落。
一面の黄金色が美しいですね♫୧꒰*´꒳`*꒱૭✧

 

さて、一周まわって山頂に戻り、ひときわ目を引くのがこの建物。

ぬぬっ?(☉ε ⊙ノ)ノ
怪しげな佇まい‥‥

さてはUFO顕現ポイントかっ?!ε=ε=ε=ε=((llllll><)ノノ□ヌヒョ~ッ

 

・・・・・・
ワタクシの中二病マインドは今日も元気に絶賛活動中ですが、こちら、当然そんな怪しいスポットではございません。

ヌタ山ファームポンド。

・・・・??ファームポンドって、なんですか?(?(。_。).。o0O??

帰って調べてみると、ファームポンドとは主に高台の農地の近くにあり、汲み上げられた農業用水を一時的にためておく施設のことだそうです。(例によってざっくりとしたご説明になっています)

このヌタ山にファームポンドができた背景には、八幡浜を含む南予地方で起きた昭和42年の大干ばつがあります。
この年は、夏の盛りに約3か月にもわたって雨らしい雨が降らず、生活用水のみならず飲料水にも事欠く事態に。当然、農地へ潅水できる水もなく、多くの樹木が枯死寸前まで追い込まれ、後々まで樹木に影響が残ることになりました。

この大干ばつをきっかけに、慢性的な水不足に陥りがちだった西宇和地方に対し安定的に水を供給できるよう、水量の豊富な肱川上流部にダムを建設し、地下に水路を張り巡らせる「南予用水」の建設がすすめられました。
南予用水事業は平成8年度に完成し、以降、南予地方の農業用水・生活用水は安定的に確保できるように。八幡浜では、ヌタ山の他にもいくつもの高台にファームポンドが設置されました。

付随して、自動的に防除や潅水を行うスプリンクラーの設置事業も進められ、以降、日々の農作業が劇的に効率化していくこととなります。

八幡浜の柑橘農業を語るうえで、この「ファームポンド」なるものはとっても重要な施設なんですね。メモメモ((φ(´゚ω`*)ホゥホゥ

ふと見ると、周りの園地には、黒い蓋がされた穴のようなものが至る所に。これは、ファームポンドから延びる送水管をチェックするための物なんだそうです。
一帯の園地に水を供給する送水管は、日常的な点検が重要。日土地区では、ブロックごとに定期的に点検作業が行われ、その予定が地区放送で流れたりするそうですよ。

さて、春の陽気と菜の花の黄色に誘われた今日の散策。
八幡浜の柑橘産業を支える南予用水のことも学べるいい機会になりました。

八幡浜に移住された際には、地域に根差したこういった場所をのんびり訪れてみるのも、一興かもしれませんね!(農道の運転時は、くれぐれもお気をつけて)
それでは今日はこの辺で(*´罒`*)

※参考文献:合併10周年記念版 八幡浜市誌

 

❁定住支援員・O❁

八幡浜市で初めての地域おこし協力隊として、中山間地域・日土東地区を担当。3年の任期満了後、平成30年4月から定住支援員として市内全域を対象に活動中。市内でも各地域で異なる風習や文化に日々驚きつつ、移住検討者の方に向けた「八幡浜の日常のあれこれ」をお伝えすべく、あっちこっちに出没。
地図を読むことは得意だが、その地図情報が留まることがなく軽やかに頭を滑り落ち、行ったことがある場所でも危うさを感じる日常。自身の記憶への信頼感はここ数年でほぼゼロと化している(ヾノ・x・`)とはいえ、何度でも初めての感動を味わえるのでそれはそれでOKだと悟りの境地に近づいている。